FP3級で「課税所得」の意味を知って、お金の見え方が変わった話

FPの勉強というと、投資や保険の知識を思い浮かべる方が多いかもしれません。

私自身も、FP3級を勉強する前はそう考えていました。

投資について詳しくなったり、保険について学んだりすることが、FPを勉強する大きなメリットなのだろうと思っていたのです。

しかし、実際にFP3級を勉強してみて、日常生活の中で特に役立ったと感じたのは、もっと身近なことでした。

それが、税金と社会保険料の仕組みを理解できるようになったことです。

中でも、私のお金に対する見方を大きく変えた言葉の一つが、

「課税所得」

でした。

今回は、FP3級の勉強を通して「課税所得」という言葉の意味を理解したことで、私自身のお金に対する見方がどのように変わったのかを振り返ってみたいと思います。

目次

「課税所得」という言葉の意味が分かった

FP3級の勉強を通して、初めてきちんと理解できた言葉があります。

それが、課税所得です。

それまでの私は、税金について、

「給料をもらったら、その金額に対して税金がかかる」

という程度の理解しかしていませんでした。

しかし、実際の仕組みはもう少し複雑です。

たとえば、会社員の給与にかかる所得税を考える場合、基本的な流れは次のようになります。

給与収入
↓
給与所得控除
↓
給与所得
↓
所得控除
↓
課税所得

給与として受け取った金額が、そのまま課税所得になるわけではありません。

給与収入から給与所得控除を差し引いて給与所得を求め、さらに、そこから所得控除を差し引くことで課税所得を計算します。

所得控除には、たとえば、

  • 基礎控除
  • 社会保険料控除
  • 配偶者控除
  • 扶養控除
  • 生命保険料控除
  • 医療費控除

など、さまざまなものがあります。

つまり、私が毎月支払っている健康保険料や厚生年金保険料なども、単に「給料から引かれているお金」というだけではなく、社会保険料控除として所得税の計算にも関係しているわけです。

この構造を理解したとき、

「収入」と「所得」と「課税所得」は同じものではない

ということが、初めて自分の中でつながりました。

言葉だけを見ると少し難しそうですが、この違いを理解できたことは、私にとって非常に大きな変化でした。

「節税=怪しいテクニック」ではなかった

FP3級を勉強する以前の私は、「節税」という言葉にどこか胡散臭い印象を持っていました。

何か特殊な方法を使って税金を減らしたり、一部の詳しい人だけが知っている裏技を使ったりする。

そんなイメージを持っていたのだと思います。

しかし、FP3級で税金の仕組みを勉強して、その考え方も変わりました。

所得控除とは何かを知る。

社会保険料が税金の計算にどう関係するのかを知る。

「収入」「所得」「課税所得」の違いを理解する。

こうした基本的な仕組みを知るだけでも、自分のお金がどのような流れで動いているのかが少しずつ見えるようになりました。

もちろん、制度を知ったからといって、必ず税金が安くなるわけではありません。

また、節税すること自体が目的でもありません。

私にとって重要だったのは、

「なぜこの金額の税金を支払っているのか」

を以前より理解できるようになったことでした。

FP3級の知識は、お金を増やす魔法ではありません。

しかし、

「なぜ手元に残るお金が、この金額なのか」

を自分なりに説明するための土台を与えてくれました。

給与明細の見え方も変わった

税金や社会保険料の仕組みを理解すると、毎月受け取る給与明細の見え方も変わりました。

以前であれば、給与明細を見ても、最も気になるのは「手取りはいくらか」ということでした。

しかし、今では、

総支給額はいくらなのか

健康保険料はいくら引かれているのか

厚生年金保険料はいくらなのか

所得税と住民税はいくらなのか

といった項目にも目が向くようになりました。

給与明細は、単に「今月いくら振り込まれるのか」を確認するための紙ではありません。

自分がいくら稼ぎ、その中から社会保険料や税金としていくら負担し、最終的にいくら手元に残るのか。

その流れを確認できる資料でもあります。

給与から引かれている健康保険料、厚生年金保険料、所得税、住民税などがそれぞれ何なのかについては、こちらの記事で詳しく整理しています。

「手取りを理解する」とは、お金の流れの構造を知ること

この経験から、私の中で「手取り」に対する考え方も変わりました。

以前は、

手取りが多い=得

手取りが少ない=損

という、とても単純な見方をしていたように思います。

しかし、お金について勉強していくと、手取りという数字だけでは分からないことがたくさんあります。

たとえば、健康保険料や厚生年金保険料が増えれば、短期的には手取りが減ります。

しかし、だからといって、その増加分をすべて単純な「損」と考えてよいわけではありません。

社会保険料には、それぞれ制度上の役割があります。

また、所得税についても、「給料がいくらだから税金はいくら」という単純な仕組みではなく、所得控除などを経て課税所得が決まり、その金額をもとに税額が計算されます。

大切なのは、

「手取りを増やすこと」だけを考えるのではなく、なぜ現在の手取り額になっているのかを理解すること

なのだと思います。

仕組みが分かれば、数字が変わったときにも「何が変わったのだろう」と考えることができます。

これは、FP3級を勉強して得られた大きな変化の一つでした。

FP3級の知識がくれたのは、「判断できる状態」

FP3級レベルの知識でも、生活の見え方は変わると私は感じています。

それは、資格を取っただけでお金が増えるからではありません。

「なぜこの金額なのか」を、自分の言葉で説明できるようになるからです。

たとえば、給与の手取りが減ったとします。

何も知らなければ、

「税金が増えたのかな」

「会社に何か引かれたのかな」

「社会保険料が上がったのかな」

と、漠然と不安になるかもしれません。

しかし、給与明細の仕組みを知っていれば、

総支給額が変わったのか。

社会保険料が変わったのか。

所得税が変わったのか。

住民税が変わったのか。

と、一つずつ確認することができます。

分からないまま不安になるのではなく、まず仕組みを確認して、自分で考えることができる。

私は、これこそがお金について学ぶ大きな意味の一つだと思っています。

「手取り」から「人生全体」へ考え方が広がった

FP3級の勉強を始めたころは、ここまで考えるようになるとは思っていませんでした。

最初は、

「税金はいくら取られるのか」

「社会保険料はいくら払うのか」

「どうすれば手取りが増えるのか」

といった、目の前のお金に関心が向いていました。

しかし、制度について学んでいくうちに、少しずつ考える時間軸が長くなっていきました。

社会保険料は、現在の手取りだけでなく、社会保障制度や将来の年金とも関係しています。

税金や控除について理解することは、自分の働き方や家計を考えることにもつながります。

つまり、お金について学ぶことは、

「今月いくら残るか」だけを考えることではなく、人生全体のお金の流れを考えること

にもつながっていくのだと思います。

この「手取り」から「人生全体」へと考え方が変わっていったことについては、こちらの記事でも詳しく振り返っています。

お金の知識は、「得をするため」だけのものではない

以前の私は、お金の勉強には、

「どうすれば得をするか」

というイメージを強く持っていました。

もちろん、制度を正しく理解することで、利用できる制度に気づいたり、不必要な支出を避けたりできることもあります。

しかし、今はそれだけがお金を学ぶ意味ではないと考えています。

知識があることで、

「なぜこうなっているのか」

「自分の場合はどうなのか」

「では、自分はどうするのか」

と順番に考えられるようになります。

すぐに答えが出なくても、少なくとも「何を調べればよいのか」が分かります。

私にとってFP3級の勉強は、正解を覚えるためのものではありませんでした。

お金について、自分で考えるための入り口だったのだと思います。

まとめ|「課税所得」を知ったことが、お金を理解する入り口になった

FP3級の勉強を通して「課税所得」という言葉を理解したことは、私にとって、お金の見え方が変わる一つのきっかけになりました。

給与として受け取った金額が、そのまま課税されるわけではない。

給与所得控除によって給与所得が計算され、さらに所得控除を経て課税所得が決まる。

そして、その仕組みを理解することで、給与明細に書かれている税金や社会保険料についても、以前より具体的に考えられるようになりました。

FP3級の知識は、お金を増やす魔法ではありません。

また、資格を取得したからといって、すべてのお金の問題に答えられるようになるわけでもありません。

それでも、

「なぜこの金額なのか」

を考えるための基礎知識は身につきました。

お金の不安の中には、仕組みが分からないことから生まれるものもあります。

制度を知り、仕組みを理解し、自分の場合について考える。

そして、最後は自分なりに選択する。

私にとってFP3級の勉強は、そのための最初の一歩でした。

Money Literacy Labでも、単に「これをすれば得をする」という情報だけではなく、お金の仕組みを理解し、自分で考えるための材料をこれからも整理していきたいと思います。

お金の知識があることで、人生の選択肢は広がる。

私は、そう考えています。

※本記事は、筆者自身の経験をもとに、お金や税金について学んだ過程を整理したものです。税制や社会保険制度は改正される場合があり、個別の状況によって適用される制度や計算方法も異なります。具体的な税額や制度の適用については、国税庁、年金・健康保険等の公的機関、勤務先の担当部署、税理士等の専門家にご確認ください。

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この記事を書いた人

大学で外国語教育に携わるかたわら、お金について学び、実践しています。FP3級取得。Money Literacy Labでは、家計管理・投資・保険・税金などについて、自分自身の経験と学びをもとに発信しています。

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